このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです

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Aフレーム ボールジョイントブーツ交換 
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 この記事は2005年式のTd5ディフェンダーで行ったものです。同じディフェンダーでも、年式や形式、同じ年式でも微妙に仕様が違ったり
使用している部品番号が違ったり、新しい部品番号に変わっていたりしますのでご注意ください。

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aframe

 リアサスペンション(左図)。
がロアリンク。
がアッパーリンクAフレーム。
オレンジがショックアブソーバ。
ピンクがサスペンションコイル。
アッパーリンクAフレームのボールジョイント部分(右図)。
経年劣化でブーツが破れている。このままでは次の車検はNG。
今回このの部分を交換する作業。

aframe
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oil seal

 用意したのはこの部品。
このボールジョイント部分だけでもパーツとしては存在するが、このボールジョイント部は
元々のを外すのも、新たな部品を装着するのも、簡単に外れるものではない。
ベンチプレスを使用したりハンマーでガッツリ叩くなど、力技がものをいう作業になる。
なので今回はブラケットごとの交換にすることにした。これならボルト2本外すだけでよい。
これは社外品(BRITPART製)で品番は DA1129
この他にブラケットをAフレームに取り付けるボルト2本、ナイロンナット2個DA1129KITも必要。
後述するが入手すべきはDA1129ADJだったかもしれない。DA1129はボールジョイント部が動かなかった。

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-まずはジャッキアップしてジャッキスタンドで支える-
jackstand
     
jackstand

 後ろ側下に潜り込んでの作業になる。油圧ジャッキなどだけでの作業は絶対にNG。必ずジャッキスタンドで支える。
リア作業時のジャッキスタンドで支える位置は、シャーシのロアリンク付け根前方辺りが適当か。
ジャッキを降ろしジャッキスタンドのみになったら、車輌をゆすってみて確実に支えられているか安全を確認してから作業開始。
これは、作業前の絶対条件。

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-ボールジョイントのナットを外す-
balljoint
    
wrench30mm

 ボールジョイントを留めているキャッスルナット(王冠ナット)のコッターピンを抜く。この作業は苦手。。
このキャッスルナットのサイズは30mm。通常のソケットではスペース的に使用不可。ショートサイズのソケットなら入るか。
ここは無難に30mmのレンチを新規購入。予想はしてたが、案の定固着気味なのか全く緩む気配がない。
ラスペネ浸透させるも、ご法度のハンマー作戦は下向きのナットの為効果なく、単管延長作戦も太さ的に単管に差し込めず敢え無く撃沈。
単管に差し込めるシノ付きレンチを急遽購入するはめに。結局このシノ付きレンチに60cm程の単管で延長して緩めることができた。

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-ボールジョイントブラケットを外す-
ブラケット
  

 かなりひどい状態のボールジョイントブーツ。
そのボールジョイントのブラケットをAフレームに留めている2本のボルトを外す。
Aフレームからカラーを経由してブラケットを貫通し、片側はナイロンナットで留っている。
このボルト1本はインパクトレンチを使用して外すことはできたが
もう1本が完全に固着してしまってインパクト使おうが何をしようが外すことができない。
ボルトは回るのだがブラケットごと回ってしまう。ブラケットを固定しても回らない。
どうやらブラケットとボルトが固着していてラスペネも貫通している内部まで浸透しきれず。
2時間以上格闘して全く埒が明かない。。。さて、これはどうしたものか。。。

  

  

フリーズルブ
フリーズルブ
 

 一旦休憩。。
ホームセンターに行って、神頼みのスプレーケミカルを購入。その名もフリーズルブ。
これは固着したボルトなどを急速冷却して金属を収縮させ、潤滑剤の浸透を促し緩めるというケミカル。
スプレー全量使用して試すも、ブラケットの厚みがある為に該当箇所まで冷却を伝えきれないのか
全く効果がない。ひとつも改善が見られない。でも、ブーツを放置するわけにはいかない。
ボルトをグラインダーで切断するかとも考えたが、切断できる程の隙間もない。
かと言ってボールジョイント部分だけ取り外すのは、確実に不可能。
元に戻してプロにお願いするか。。どうにか自力で何とか出来ないものか。

  

-モッタイナイけど-
ブーツサイズ
    ブーツサイズ

 気を取り直して考えあぐねた結果、ブーツのみ交換することにする。
ブラケットとボールジョイントが無駄にはなるが、とてもモッタイナイけど、これはもう仕方ない。
幸いなことに、元々のボールジョイントはガタもなく傷みはない模様なのでそのまま使用でも問題なさそう。
こちら社外品の為、一応サイズを図ってみるとブーツの上下とも同じサイズであると判明。ブーツのみの交換は可能。

  

wakos
   
balljoint
   
boots

 この時点でもうけっこう疲れていて気分も凹み気味なので
モッタイナイついでに、グリスも高級なWako'sのー、あれ?MPG-GだったかなHMG-Uだったか。。どちらだったか忘れてしまったけれど
どちらだとしても高級グリスには変わりなく、こんな些細な贅沢で少しでも気分をアゲようかと。

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-パーツ調達ミス?結果オーライなのか-
完成
    
完成

 この後、ブーツを溝にハメ込むのに1時間、ブーツの留めスプリング上下を入れるのに30分格闘。車輌に装着されていて寝た状態でのこの作業はとても難しかった。
キャッスルナットを締め込む。締め付けトルクは176Nm。苦手なコッターピンも挿入し固定。
規定トルクでコッターピンの穴が合わない場合(まず合わないが)締める方向で穴位置を合わせる。
ブラケットのボルトとナイロンナットは1本分だけ新しいのに交換。締め付けトルクは115Nm

 冒頭の方でも書いたが、今回注文したのはDA1129だが、作業途中に気づいたのはボールジョイント部が動かないタイプだったこと。
元々付いていたボールジョイントは自由に動くので、もしかすると注文すべきは自由に動くDA1129ADJだったかもしれない。
調べてはみたが、その事に触れている記事を捜しきれなかった。調達したパーツが間違えていたなら、結果的にはブーツ交換になったことで結果オーライなのか?
もぅ、よくわからないのだが、ま、これで一応のこの作業は完了ということで。
 今回の作業は、数時間掛けても状況が好転しないという、いまだかつて無く途方にくれる作業で心身ともに疲れた。自力で完了まで出来たので満足だけど。