このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです

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ブレーキキャリパー
オーバーホール

  

  

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 この記事は2005年式のTd5ディフェンダーで行ったものです。同じディフェンダーでも、年式や形式、同じ年式でも微妙に仕様が違ったり
使用している部品番号が違ったり、新しい部品番号に変わっていたりしますのでご注意ください。

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ブレーキキャリパー

 リアのブレーキが時々鳴くようになったので、パッドのシムにグリースを塗り直してみようと思い
パッドを外すためにリテンションピンを見れば、錆で腐食しスプリングが縮みパッドの厚みも割と減っている。
試しにパッドを外してみると、ポタポタポターとブレーキフルードが。。なぜ外すまで漏れなかったのか。
間違いなくピストンシールが劣化している模様。お恥ずかしい話しだがあまりにほったらかしにし過ぎた。
この際、全てのブレーキキャリパーをオーバーホールすることにした。

ちなみに、必要パーツが揃うまでの間、リテンションピンとスプリングだけ新品に交換したら、ブレーキ鳴きはおさまった。

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フロントブレーキ キャリパー

ジャッキアップ&車輌固定

ジャッキアップした後、必ずウマをかけて車輌を固定する。安全最優先で必ず。

ジャッキスタンド
     
ジャッキスタンド

 サイドブレーキを確実にかけ、リアのタイヤに輪止めをし、フロアジャッキをデフケースにかけて車輌を持ち上げる。
(WorkshopManualにはこの他に、ギアを1速に入れ、トランスファをLOWレンジにと指示がある)
フロアジャッキはWorkshopManualには、「積載能力1500Kg以上」と、一応書いてあるが。。
ちなみにREE所有のフロアジャッキ2700Kgでも、重く感じられる。
ジャッキアップ途中、タイヤが接地している状態の時に、ホイールナットを少し緩めておいた方がよい。
後々ホイールナットを外す時にタイヤも回ってしまうから。(インパクトが使える環境なら不要)
フロント側はデフケースが大きく右にオフセットされているため、かなり斜めに持ち上がるので注意。
ウマはアクスルケースのどこかにかける。 写真は車載ジャッキをかけるジャッキポイント。
ラジアスアームのところにかけたくなるが、ここはNG。(ちなみにここにかけているYoutubeを見たことはあるが。。)


 ジャッキやウマをかけてはいけない場所 (WorkshopManualより抜粋)
車体構造、バンパ、フューエル ライン、ブレーキ ライン、フロント ラジアス アーム、パナール ロッド
ステアリング リンケージ、リア トレーリング リンク、フューエル タンク、オイルパン、ギアボックス ベル ハウジング
ジャッキングやサポートは必ずアクスルで行う。


そして、当然ホイールを取り外します。

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キャリパーの取り外し
ピストンクランプ
     
ピストンクランプ

 まずは、パッドを外してしまう。
ピストンクランプなどを使用してブレーキローターディスクに密着しているパッドを押し広げ、リテンションピンを抜き、パッドを2つとも取り外す。


ブレーキライン止め
 

 ブレーキフルードラインを外す前に写真の矢印の辺りに
ブレーキホースクランプなどを使用してブレーキラインを遮断するとよい。
これをやらなくてもよいが、クランプしておく事でブレーキフルードの漏れを
最小限にとどめられるために、後々のエア抜き作業が短時間で済み
余分なブレーキフルードを消費しなくてよい。
ちなみに、この作業はパッドを外した後に行う。
ブレーキホースをクランプすると、パッドをディスクから押し広げる事ができなくなる。


キャリパー

写真はキャリパーの裏側。
オイルが漏れ出すので、下にオイル受けを置く。
ピンクの矢印、ブレーキフルードラインのパイプユニオンを外す。
工具は11mm。 フレアナットレンチの使用が理想。

 
キャリパー

キャリパーは黄色の矢印のボルト2本で固定されている。
工具は13mm2重六角(12pt)のソケットが必要。
左の写真のボルト周辺が濡れているのは、ラスペネを吹いたから。
CRC556でもよいが、ここにはラスペネをおすすめする。

 
ラスペネ

600mmスピンナ
 

 このブレーキキャリパーを固定しているボルトは、異常に固くしまっていて
ラスペネを浸透させても、ウマで上げた高さで普通のラチェットハンドルでは
体勢的にしんどく REEの腕力では緩む気配さえしない。
リフトで上がっていれば力もかけ易くいけるかもしれないが。。。
左の写真の様なスピンナハンドル(ブレーカーバー、フレックスハンドル)を使用した。
長さは全長600mmのハンドル。これ以上長いと逆に使いづらいかもしれない。
相当なトルクがかかるので、差込角は1/2インチ(12.7mm)。
今回の作業で一番労力を使うところ。


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ピストンの取り外し
ブレーキキャリパー

 取り外したフロントブレーキキャリパー。 
対向4ポッド、ベンチレーテッドディスク用。
ちなみにキャリパーごと新品に変えるなら 品番は 
右用が SEB500460 or STC1266 (LA930456 ←1994MY以降)
左用が SEB500470 or STC1267 (LA930456 ←1994MY以降)
このキャリパーの4つのピストンを外す。

    
ピストン外し

      今回はエアブロアを使用して空気圧でピストンを取り外す。

注意!! 結構な勢いでピストンが飛び出してくるので決して指など入れておかないように!


 そしてこれ、ピストンが抜け出てくるのが気持ちよくてクセになるのです。


・エアツールがない場合自転車用の空気入れにビーチボールなどのアダプタ使って、ゆっくりピストンを抜いてるのをYouTubeで見たことがある。
・ピストンを再使用しない前提ならウォーターポンププライヤーなどでクキクキって回しながら外してもよいかもしれない。
 その場合くれぐれもポッド側に負担のかからないように。

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キャリパー清掃

ブレーキダストや土埃などでかなり汚れている。
水洗いしても可だが、その場合はパーツクリーナーで水分を完全に飛ばし、乾燥は充分に。
対向のポッドへブレーキフルードを送る通路に水が残らないように。
ちなみに、キャリパーは2分割することができる。 フロントキャリパーに関してはこれは禁じ手とのこと。
後でシールを挿入するのには、分割した方が絶対に楽だが、分割面にゴムホースのようなものがあるらしく、
組立時に上手に元に戻すのが難しくてそこから液漏れを起こすとのこと。
このフロントキャリパーに関してはゴムホースはパーツとしての供給もないらしい。安易に2分割はしない方がよい。

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シールの交換
ブレーキキャリパー固定
   

 このシール交換の作業は非常に難易度が高い作業です。
キャリパーからシール類を外したらもう後戻りできません。
万が一作業が中断してしまうと車は動かせなくなるので、青空作業の場合は
車両を一時放置できる場所である様に選定することも大切です。
シールキットの品番に間違いがないか確認して
キャリパーを確実に固定して作業を開始してください。


ピックツール
 

 古いシールとリテーナを取り外す。
取り外すシールは再利用しないので
どんな工具を使って外してもよいが
今回はこんなものを使って外した。
左は、シール外し用のドライバー。
マイナスドライバーの角が円るまっている。
右は、ピッキングツール。
シールに傷つくが、こっちの方が使いやすい。

 
ピックツール

シール

 シールは、ピストンポッド一つに付き3パーツある。 フロントブレーキは対向4ポッドなので、左右でこれが8セット必要になる。
購入した品番はAEU2539。  1パック片側分4セット入り。2パックでフロント左右分となる。

シール

 上段シールを押える金属製のリテーナ

 
シール

 上段の中溝つきのシール

 
シール

 下段の太めのシール


先に完成イメージ 下の写真と図

シール
   
シール

下段 シール

ラバーグリス
 

 シールには、挿入前にラバーグリスを満遍なく塗り込む。
シールに使うグリスは、プラスティックやゴムを侵さないものが必須。
まず、下段ののシールを入れる。
指でなぞるようにクルリと。難なく挿入できるはず。


 リテーナシール

のリテーナに  のシールをはめ込む。
こんなのサイズ違いじゃん!不良品か? と一瞬思うが、まてまて。サイズ違いでも不良品でもない、魔法のようにピッタリ収まるのだ。

シール
 
矢印
 
シール

このリーテナとシールを合体したモノをキャリパーのポッドの上段にはめ込む。

これが今回の最難関!

はめ込み
ツール
 

 行きつけのディフェンダー専門ショップの工場長に
「自分でやるの?あれ、結構難しいよ」と言われていた。

まずは、半分くらい手ではめ込む。また、サイズ違いか?と思えるくらいだが。。。
まてまて。
上段のシールはリテーナで押さえられるのでリテーナは若干大きめにできている。
シールインストーラー的な工具は手持ちで持っていない。丁度よい円形の金具もない。
ここから先は何かしらではめ込まなければならない。
最初、ピンポンチとハンマーでやってみたがあえなく失敗。
キャリパーを分割していれば上手く行きそうだったが、上部が邪魔で
丁度よい角度にピンポンチが当たらず力も加減しにくい。
リテーナは窮屈なところにはめ込むためにある程度柔らかめにできているので
下手に力をかけるとすぐにヨレヨレになり、そして再生不能。
難関と予想して、シールキットを1パック多めに購入しておいて正解。
1パックということは、4セット入っているので
あと4回目までには確実に成功する方法を見つけなければならない。
クランプ的なモノを使うか、打撃系でいくか、思案。
ふと、ガレージの片隅にあった、ガレージゲートの脚パーツを見つけた。
長さ300mm、幅19mm、厚さ4mm のステンレス製の板棒。
これをリテーナの浮いている部分に当てがいクランプで挟み込んでみるか
それともハンマーで打撃してみるか。どっちが確実なのか?


はめ込み
 

 下の写真の様な、柄の長さ300mmくらいの普通のハンマー(金槌)を使用。
端を先に入れるつもりで、左の写真の ピンクの矢印 側を気持~ち浮かすイメージで
緑の矢印 辺りを 最初は軽めに、様子を見ながら徐々にやや強めに打撃していく。
最後は気持~ち浮かすのをやめてピッタリ当たるようにやや強めに打撃。

金槌

はめ込み
 

 なんと一発で成功!
左の写真のようにキャリパーの筐体とツライチになるのが正しい。
シール外し用のドライバーでちょっとコジッても外れる気配なし。
しっかり挿入されている。
 YouTubeで海外のオーナーたちも様々な方法で行っているのが観られる。
古いピストンを利用して、これ専用のオリジナル工具を作ってる人もいる。
リテーナだけ一旦裏表逆さまにクランプを使ってはめ込んで、円周に慣らしてから外して
通常の状態に表返してシールと共にはめ込む。という人もいる。

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ピストンの挿入
ピストン

汚れを拭き取って見ると錆が発生してた。
錆びてなければ再利用可。

 

  
ピストン

フロント左右で計8個のピストン。
品番は STC201
ピストンとシールのキットもある
品番は STC1280

  
ピストン

新旧のピストン。
ステンレス製のピストンもあるが
そっちにすればよかったかな。
 


ピストン

 ピストン側面にラバーグリスを塗って手で押し込む。 キッチリ真っ直ぐ入れないと入らない。
意外にキツイがヌヌヌヌーと入っていく。
入らない場合は確実に曲がっているので、ピストン上部円周をまんべんなく押して見るとよい。

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キャリパーの組付け

 ここまでくれば、難しい作業はない。 キャリパーを取り付け、パイプユニオンも元に戻す。
キャリパー固定の13mm2重6角のボルト2本にネジロック剤(ロックタイト242中強度など)を塗布して締め付け規定トルクは82Nm。
ブレーキフルードラインのパイプユニオンの規定トルクは15Nm。

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ちょっと脱線


パイプユニオンなど、オープンエンドのレンチしかかからない場所でのクロウフットを使用したトルクレンチの使い方
クロウフット
 

 こちらクロウフットレンチ 2面サイズは 11mm
ディフェンダーのブレーキとクラッチのフルード交換ニップル用に購入。
各種レンチに取り付けたときの延長長は15mmになる。

  トルクレンチにクロウフットレンチを取り付けた時は、物理的な長さが変わるので、設定値と実際にかかるトルクは変わってしまう。
実際に掛かるトルクを知り使用するには下記の様な計算式を使い設定値を補正する。

トルクレンチ

有効長はソケット取り付け位置中心から手力点までの長さ。例えばこのトルクレンチは370mm。
計算式は   規定トルク✕有効長÷(有効長+延長長)
規定トルク15Nm✕有効長370mm÷(有効長370mm+延長長15mm)=設定トルク 約14.42Nm となる。

 その差0.58Nm。プリセット式のトルクレンチではこの位の誤差はありそうなので
場所によって15mm程の延長なら余り神経質にならなくても大丈夫かもしれない。  

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ブレーキパッドの組付け
ブレーキパッド
    
ブレーキパッド

 ブレーキパッドの厚みの限界は諸説あるのでここでは語らないが、右の写真はフロントのパッド新旧。
厚みは元の1/2程の減り具合ではあるが、交換することにする。


ブレーキパッド

 フロントブレーキパッド
品番はSFP000260 (左右セット4枚入り)
こちらメーカーは FERODO
 

    
ブレーキパッド

 フロント用リテンションピン&
スプリング&スナップピン セット
品番は STC8575(左右セット4本入り)
FERODOのフロントパッドには付属されてこない


シムグリス

 ブレーキパッドのピストンが当たる面に
シムグリースを薄く塗る

 
リーディングエッジ

 パッドのリーディングエッジが
この向きになるように取り付ける

 
リテンションピン

 リテンションピンとスプリング入れ
スナップピンで留める

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リアブレーキ キャリパー

リアのキャリパーの作業は、フロントとほぼ変わらないのでポイントだけ。

リアジャッキスタンド

ウマをかけるポイントは、こちらもアクスルケース

 

     
リアキャリパー

リアブレーキキャリパーの裏側から見たところ
フロントと同じく、13mmの2重六角(12pt)
パイプユニオンは11mmのフレアナットレンチで

リアキャリパー

 リアブレーキキャリパー。
対向2ポッド、ソリッドディスク用。
キャリパーごと新品に変えるなら 品番は
右用がSMC500270 (1A14448 ←2001MY以降)
左用がSMC500260 (1A14448 ←2001MY以降)
ちなみに、取り付けボルトはM12-35mm
フロント、リア 共通 品番は SYP500090 or FTC3375
ピストンはピストンシールキットのみ供給の様で
品番は SEE000010
シールのみのキットは SMN000060

     
リアキャリパー

 リアは対向2ポッド。 ピストンをエアで押し出す場合
フロントの時みたいに片側をクランプしなくてもよい。
間に衝撃吸収用のスポンジ的なものを挟んで
パイプユニオンの挿さっていた穴にウエスをあてがい
エアガンでエアをプシュ!!
ほぼ均等に両側のピストンが飛び出す。



 


  この後キャリパーを清掃して、シール交換の手順はフロントと変わらない。
キャリパーを取り付け、パイプユニオンも元に戻す。
フロントと同じくキャリパー固定の13mm2重6角のボルト2本の規定トルクは82Nm。
ブレーキフルードラインのパイプユニオンの規定トルクは15Nm。
リアのパッドには、フロントパッドにある、リーディングエッジと反対側にトレーディングエッジもある。
ハーフのシムがついている場合は、シムが上側にくるように取り付ける。

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ブレーキフルード 交換(エア抜き)

ブレーキフルード交換やエア抜きは基本的には2人でやる作業ではあるが一人でも問題なくできる。

ブリーダボトル
ワンウェイバルブ

 「ブレーキブリーダーボトル」は、リザーバを空にする心配がなくなり、あれば重宝。
「ワンウェイバルブ」は、エアの逆戻りを防げるので、これもあると重宝。
「シリコンチューブ」は内径4mm。
↑ディフェンダーのブリーダーニップルは大きめだけど内径4mmでも大丈夫。

準備
シリコンチューブ
ブリーダボトル
廃油受け
    

 ブレーキフルードの交換、エア抜きはマスターシリンダーから
遠いブレーキから順に行うというのが定石。
 

  • ブリーダーニップルにシリコンチューブを取り付ける。
    (ワンウェイバルブの向きに注意 キャリパー → 廃油受け容器)
     
  • DOT4規格のフルードをたっぷり入れたブリーダーボトルを
    リザーバタンクに取り付ける。固定金具はあるのだが
    タンクに負担がかからないようにボトルを軽く吊るした。
    ブリーザーボトルを使わない場合はMAXまでフルードを入れ
    時々確認しながら、リザーバタンク内のフルードを絶やさない。
     
  • シリコンチューブの他端を廃フルード受けの容器に入れる。
    (フルードの色を見るので透明なのがよいかもしれない)
    ワンウェイバルブを使わない場合、フルード受けの容器にある程度
    フルードを入れておき、シリコンチューブ先端を沈めておく。

マスターシリンダーのエア抜き

ブレーキ配管のエア抜き・全量交換
  • ブリーダーニップルのスクリューを緩める。これが微妙で難しい。
    緩め過ぎると隙間からエアを噛み込み、いつまで経っても気泡が消えず、エアが抜けたか判別しにくい。
    少し緩めてブレーキペダルを踏み込んだ時にフルードが排出できるギリギリで留める。
    (コツとしては緩めたあとは一度レンチを外して、手で微調整するといい。
    また、シリコングリスをスクリュー周りに隙間なく盛ると、エアを噛み込みにくくなるという裏技もある)
  • ゆっくりとペダルを何度か踏み込む。 排出されるフルードが新しいフルードに置き換わり
    且つ気泡の混入がなくなるまで繰り返す。
    細かく数えてないが、新しいフルードに入れ替える場合はその位のオーダー、かな。。。車種によるか。。)
  • ペダルを完全に踏み込んだ状態で固定し、ブリーダーニップルのスクリューを締める。締め付けトルクは15Nm。
  • 残り3個のキャリパーについても同じ作業を行う。
  • ブリーダーニップルに保護キャップを取り付ける。 これがREEの車輌には全てついていなかったので購入。
  • ブレーキリザーバタンクのMAX位置までフルード量を調整する。

Bleed nipple protective dust cap

Bleed nipple protective dust cap

品番 59409


  「ペダルを完全に踏み込んだ状態で固定」 は、踏み込んだペダルを何かしらの棒で
運転席下の壁面などに、つっかえ棒する。 ある程度の強度さえあれば木の棒など何でもよい。
REEは右のようなモノを使っている。
引っ越し屋が忘れていったダンボールハンガーラック用の棒で、長さは 505mm 。
適度にしなやかで強度があってちょうどよい。クラッチのフルード交換の時もこれを使っている。

つっかえ棒

DOT4

 使用したフルードは BPのDOT4規格フルード。 1リッター2本で少し余る位だった。
エア抜きを余裕持ってやるために多めに用意することをお薦めする。
ブレーキフルードは塗装を簡単に侵すので注意が必要。
また、吸湿性が高いので湿気の多い日は避けたほうが無難。

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 これですべて終了。
この作業は、初めてだとかなり時間がかかる。
命にかかわる重要なところなので、前後のO/Hで2日間かけるくらいのつもりで、慌ててやらないようにする。
ブレーキフルードの交換・エア抜き作業は様々なやり方があるのでネットで調べて自分に合ったやり方でやることをおすすめする。
フルードラインにエアが残っていると、明らかにふわふわしたブレーキタッチになる。エア抜きは確実に行い、乗り出す前に慎重にテスト。
敢えて記すが、ブレーキの性能が確実に「止まる」ことが確認できるまでは絶対に公道を走行してはならない。

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一応 WorkshopManual より、ブレーキのエア抜きについて抜粋(原文通り)する。

  準備


 手動によるエア抜き
  必要な器具

  • きれいなガラス容器
  • エア抜きホース
  • レンチ
  • 約2リットルのブレーキ フルード

 マスタ シリンダのエア抜き

  1. バッテリ マイナス リードの接続を外す。
  2. ブレーキ ペダルを5回、ゆっくりと完全に踏み込む。
  3. ペダルを離し、10秒間待つ。
  4. ペダルが重く感じられるようになるまで、この手順を繰り返す。

 ブレーキ配管のエア抜き

  1. バッテリ マイナス リードの接続を外す。
  2. エア抜きホースをキャリパのエア抜きスクリュに接続する。
  3. エア抜きホースの他端をエア抜きガラス容器内のブレーキ フルードに入れる。
  4. エア抜きスクリュを開く。
  5. 排出されるフルード内に気泡の混入がなくなるまで、
    ブレーキ ペダルを数回、完全に踏み込む。

  6. ペダルを完全に踏み込んだ状態で、エア抜きスクリュを締め付け、ペダルを離す。
  7. 残り3 個のキャリパについても、上記の作業を行う。
  8. エア抜きスクリュ保護キャップを取り付ける。
  9. エア抜きが完了したらフルード レベルを点検/ 補充する。