このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです

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ECM(ECU)へのオイルリーク
インジェクタハーネス交換 

  

  

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 この記事は2005年式のTd5ディフェンダーで行ったものです。同じディフェンダーでも、年式や形式、同じ年式でも微妙に仕様が違ったり
使用している部品番号が違ったり、新しい部品番号に変わっていたりしますのでご注意ください。

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運転席下

 Td5ディフェンダーの定番な不具合(?)、くせ(?)といえば
雨漏り、クラッチマスターシリンダーからのオイル漏れ、フューエルレギュレーターからの燃料漏れ
などあるが、 ECM(エンジンコントロールモジュール)へのオイルリーク、もその一つ。
気になってはいたので、時々運転席の下を覗いてみてはいて、リークはなさそうだな。。と思っていた。
が、待てよ、もう少し詳しく見てみよう。  ということで、ちゃんと見てみた結果。。。

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-外見では判らなかったが、しっかりと(?)リークしていた!-
コネクター
コネクター
コネクター
コネクター

 コネクタを外してみると、しっかりとリークしていた。
ゴムパッキンと白いプレートを外して、コネクタ内部をパーツクリーナー、綿棒、ティッシュなどで念入りに洗浄。最後はエアで吹き飛ばし乾燥。
配線束もオイルでニュルっと。 パーツクリーナー、ティッシュ、ショップタオルなど使い最後はエアを吹きキレイにしておいた。

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コネクター
コネクター
コネクター
コネクター
コネクター
コネクター

 ECM本体のコネクター部を覗くとこの通り。ECM内部に侵食していない事を祈ってECM本体を取り外し内部の確認。
フタはいじり止めトルクス(タンパートルクス)のT20サイズのビス4本で留まっている。
こんなサイズのいじり止めトルクス持ってるかな。。と思ったらDEENのビットセットに入っていた。
ビスを外すも、フタがぜんぜん外れずちょっと諦めかけたが、隙間を根気よく少しずつコジッて開いた。
このフタを開くのが初めてだと開蓋は結構困難。 フタは全辺スポンジ状のパッキンにしっかり貼り付ついている。

コネクター

 さて、内部には侵食の形跡なし。念の為各所にティッシュや綿棒を当てて確認したがオイルは付着せず。       
コネクター部分を洗浄。 再度内部への侵食がないことを確認してフタを閉じ運転席シート下に戻す。
ちなみに、ECM筐体は頭8mmのボルト3本で留まってるが、内1~2本はとても外しにくい位置にある。
コネクターの抜き挿しはECM筐体が固定されている状態の時に行った方がよい。
筐体が固定されていないとグラグラして、かなりコネクターを抜き挿しし難い。

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-インジェクターハーネス交換-
ハーネス交換

アコースティックカバーを外す
カバー脇、頭13mmのボルト3本。
  
  

ハーネス交換

カムシャフトカバーを留めている
頭8mmのボルトを13本外す。
ゴム製のスペーサーとシーリングワッシャー
が一緒に外れる。

ハーネス交換

カムシャフトカバー上部にあるブリーザホースの
クリップをずらし、ポートからホースを外す。
このクリップは強靭。
  



ハーネス交換

カムシャフトカバーをガスケットごと外す。
メカニカルな風景、ワクワクする。
  

ハーネス交換

各インジェクタ5個のコネクタを外す。
矢印のクリップを押しながら引き抜く。
  

ハーネス交換  
ハーネス交換  

カムシャフトキャリア下側
インジェクタハーネス前方に接続されている
コネクタを下側の爪を挟み押しながら引き抜く。

インジェクタハーネス前方を上に引き抜き、インジェクターハーネスを取り去る。



ハーネス交換

インジェクタハーネスの前方のコネクタが挿さっていたところに
パッキンの青い付着痕(?!)   キレイに洗浄して落とした。

    
ハーネス交換

インジェクタハーネスに貼られていた名番のステッカーが。。。
ヘッド内に剥がれ落ちると余りよろしくはないな。。



ハーネス

インジェクタハーネス 品番は AMR6103
青いパッキンのみの交換もできる。品番は NYX100080
一応インジェクタ側の端子をキレイにしてから取り付け。



 

    
ガスケット

カムシャフトカバーを外したら必ず交換すべきガスケット
品番は LVP000020
カムシャフトカバーのスリットにガスケットが
しっかりハマっていることを確認。
特に前方。エンジン側のガスケットの当たる部分を
キレイにしてからカムシャフトカバーを閉じる。
カムシャフトカバーを留める頭8mmのボルトの規定トルクは10Nm

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-ECMにオイルがリークする原因-

 インジェクタハーネスに接続された配線束からECMまでオイルが伝ってしまうのが原因。
インジェクタがカムシャフトカバーの内部にあるという構造により、インジェクタハーネスから毛細管現象によりECMまでオイルが到達してしまう。
ということが原因と言われている。処置としてはインジェクターハーネスを交換となるのだが
ハーネスの配線束を伝うって。。。その原因があるのでは? そして原因を見つけてしまったかもしれない!


原因
原因
原因
原因

 取り外したインジェクタハーネスの各インジェクタに挿さるコネクタはこの通りオイルまみれ。この状態でちゃんと通電するんだな。
前方のコネクタは見た目オイルは廻っていないが、ピンのある内部にティッシュを当てると確実にオイルが付着する。
そしてよく観察してみると3番ピンが使われておらず、ピンすら入っていない。これが原因ではないだろうか?
ワークショップマニュアルで確認すると、確かに3番ピンは未使用。
ピンがない。。まさにピンホール。この穴はエンジンヘッドに貫通していることになる。この3番ピンの穴を塞げば解決か?

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 REEの車輌は13年~14年でこの程度のオイルリーク量。これは個体個体で違うと思う。
もっと沢山オイルが染みてるものもあれば、中には運転席下のスペースにオイルがタップタプしている程の画像も見たことある。
これが原因でECU交換という話しも聞いたこともある。REEの場合特に不具合があったわけでもないし、直ぐにどうかなる訳でもないので
様子見でもよかったが、予防整備ということで行った。
今回3番ピンの穴は取り敢えず何も処理せずに放置してみた。これで、しばらくしてオイルリークが有るようなら穴を埋める処置をしてみるか。

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