フューエルフィルター交換時に行うエア抜きを自動モードで行う方法(LANDROVER DEFENDER Td5 only)
フューエルフィルター の交換後にエアを抜く作業を行うが
通常はキーを 「ON」 にし燃料ポンプを作動させて 「OFF」 。 これを数サイクル繰り返すことでエア抜きを行うのが一般的かと思う。
この記事はフィルターの交換方法に加え「パージモードに移行させて自動でエア抜きを行う」と言う方法を紹介する。
このモードは「Td5エンジン」に備わっているサービスモードで、すべてのTd5に該当するかは不明。
参考:管理人REEの車輌は2005MY(2004年11月4日ソリハル製造)のTd5で、エンジン型式は15P、ECU(=ECM)の世代は「NNN」※。
※ECU(=ECM)世代は、1999~2001はMSB。2002以降はNNN。
(Workshop Manual には、また違った方法が指示されている。 その方法は参考までに記事最後に記す)
フューエルフィルター交換
(前輪に輪止めをするのは必須)
Workshop Manual には 「車両の後側を上げる」と指示があるが
後側を上げずに作業している例は多い。
フィルター以降エンジン側にエアを混入させない為か否か。
右後輪の奥、少し前方。金属のカバーが掛けられている。
右後輪を外さなくても何とか交換作業はできるが
外してしまった方が作業は楽。
カバーのつまみを緩める。
逆側はカバーの突起が刺さっているだけ。
カバーを外した図。
ちなみにフューエルフィルターに過度の水分を検知するウォーターセンサーが付いている車輌が多いと思うが
REEの車輌にはこのセンサーのコネクタが無い。 配線があるのでは?と付近を探しても無かった。
このウォーターセンサーコネクタがある場合はフィルターを外す前に外しておく。
軽油が流れ出てくるので
下に廃油受けを用意してからフィルターを外す。
両手で回せば外せると思ったが意外に手強く全く回らない。
手持ちのフィルターレンチ三種類。
効果があったのがこちら。ベルト式。
随分と昔に買って一度も使用してなかったもの。
捨てないで取っておくものですね。
フィルターの根元に巻き付けて1/2sqのレンチで回す。
フィルターを外すと、予想以上にバシャバシャと軽油が流れ出てきてロアリンクバーが軽油でびしょ濡れになる。
フィルターを外した跡は一見何も無いように見えるが、外したフィルターのゴムパッキンがへばり付いてる事があるので注意。
もう一つ、内側にもゴムパッキンが残っている事があるので注意。外したフィルター側に無かったら残っている証拠。
外したフィルター内にも軽油がたっぷり入っている。
フィルター内の軽油は新しいフィルターに注ぎ込む。
ゴムパッキンに軽油をまんべんなく塗っておく。
(奥の外したフィルターにパッキンが無いのがわかる )
フィルター接合部をパーツクリーナーなどで清掃する。
Workshop Manual にはフィルターをどのくらい締め込むかは指示がない。
両手で目一杯?締め込んだ。この辺の表現はムズカシイな。
ウォーターセンサーがある場合はコネクタを接続。
最後にカバーを元に戻してフィルター交換作業は終了で、エンジン始動の前にフューエルレールのエアを排出する。
エア抜き作業(パージモード)
- キーをOFFにして15秒待つ。(通常は既にOFFになっているでしょう)
- キーを Ⅱの位置(ON)にする。(エンジンはかけない) 警告灯がいくつか点灯する。
- エンジンチェックランプが消える前に、アクセルペダルを5回踏む。(この間REEの車輌では2.2秒でした)
- エンジンチェックランプが点滅し始め、パージモードに移行する。
- と同時にフューエルポンプが自動でエア抜き作業を開始する。(下のYou Tubeリンクで音をお聞きください)
- 約30秒エア抜き-約5秒停止 を自動で数サイクル繰り返す。(参考までに今回は6~7サイクル繰り返した)
- エア抜き作業が終わると、エンジンチェックランプの点滅が消灯する。
- 一旦キーをOFFにし、通常通りエンジンをかける。
エア抜きの直後、エンジンを始動すると、まだエア抜きしている音がするが、しばらく走行すると次回始動時はしなくなる)
パージモードでエア抜きをしている音
パージモードにより、自動でエア抜きを行っている音、2サイクル分。
明らかにエアが混入している音が判る。 これを数サイクル自動で繰り返しエア抜きを行ってくれる。
今回、パージモードでのエア抜きを紹介したが、Workshop Manual には下記の様に記載されている。
フューエルフィルター交換の所に書かれているモノでなく、フューエルシステムの調整という所に書かれているモノ。
フューエル システム - エア抜き サービス リペア No. - 19.50.07
- 燃料切れ、または燃料が少なくてフューエルレールに空気が吸い込まれた時、エンジンを始動する前に
フューエルレールから空気を排出する必要がある。以下の手順に従ってエア抜きを行う。
この作業は特別な設備や工具を必要としないので、運転者でも行うことができる。手順は以下の通りである: - イグニッション スイッチをOFF にして15 秒間待つ。
- イグニッション キーを「II」位置に回し、3 分間待つ
( この間、フューエル システムがシリンダヘッド内部のフューエル レールからすべての空気を排出する)。 - アクセル ペダルを全踏み込み量の90% まで踏み込む。
- アクセル ペダルをいっぱいに踏み込んだままエンジンをクランキングする。
△注 : 上記の手順は ECM によって制御され、タンクが空になっていない時に行うと、エア抜き作業は実行されない。
必要もなく実行されるとエンジンに過剰に燃料が注入され、エンジンが始動できなくなる。
この作業は以下の場合に中止される: - エンジン回転数が600rpm を超える。
- アクセル ペダルの踏み込みが全踏み込み量の90%を下回る。
- イグニッション キーを始動位置から元に戻す。
△注 : 絶対に 1 回の作業中にエンジンを 30 秒以上クランキングさせない。 - エンジンの始動に失敗した時は上記の手順を繰り返す。
以上
若干意味がわかりにくく、??となる部分もある。
今回のパージモードへの移行は、上記の Workshop Manual にあるように必要もなく実行するのは避けた方がよいかもしれない。
また、ポンプが強制的に何度も30秒という時間作動するため、バッテリーが弱っている場合も避けたほうがよいかもしれない。
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