フロントのスイベルハウジングからグリスが浸み漏れているのが少し前から気になっていて、スイベルインナーシールと
ワンショットグリスは既に取り寄せ済み。 数ヶ月前に一度、仲間とインナーシール交換の作業に取りかかったのだが、
ブレーキラインを外さなくては駄目な事が判明。ブレーキフルードのストックが無かった為、そこで作業を断念。
ドライブシャフトを抜くなど、結構な重作業なのでそれ以来手を付けていなかった。
しかし、グリスが空っぽになると、コレかなりヤバイので、取りあえずグリスの補給だけすることにした。
ついでなので、プロペラシャフトのグリスアップもやる事にした。
スイベルグリスのフィラープラグはココ。
このプラグは9.5mmスクエア(3/8sq)の「凹」だが、
個体によっては「凸」の物もあるらしい。
WorkshopManualの図には「凸」で表記されている。(凸のサイズは不明)
3/8sqのレンチにソケットを付けず、このプラグを外す。
以前はココにオイルが満たされていたが、オイル漏れを起こし易いために、
柔らかいグリスに変更されたとのこと。
修理する為のスイベルシールと一緒に輸入したスイベルハウジング用グリス。
LR純正品ではない「ONE SHOT GREASE」は純正品と同じ呼び名。
BEARMACH社製。純正だと品番はSTC3435。
WorkshopManualには「EP00」と指定されている。
「極圧対応 リチウム モリブデン グリス」 ちょう度は「00」
上記のONE SHOT GREASEを補給する。今回左右で約半本分使用。各ハウジングの容量は350cc。
ONESHOT GREASEは375ccなので、左右とも容量の1/4程度の補給ということ。
グリスには色々な種類があり、適材適所で使われる。
ちなみに、上記のスイベルグリスはリチウムせっけん基モリブデン配合の「EP00」と指定されているが、
このEPとは「EXTRA PRESSURE」もしくは「EXTREME PRESSURE」の略で
「極圧性」を意味する。極度の圧力が掛かってもグリス切れを起こさないと言うこと。「EP00」の00はちょう度を意味する。
ちょう度とは、解りやすく言えばグリスの柔らかさ。、「NLGI」と言う分類法。
000、00、0、1、2、3、4、5、6 と9段階に分類されて、000が一番柔らかくて、6が一番硬い。
スプレーのグリスが大体「00」か「0」の柔らかさと言うとイメージが掴めるだろうか。
上記のスイベルハウジングには以前オイルが使われていただけに、
グリスに変更になった場合でも、かなり柔らかい「00」が指定されていると言うことか。
以下のプロペラシャフトのグリスにはちょう度2のリチウムグリスが指定されている。
多くの人が、スイベルグリスにホームセンター等で購入したちょう度2程度のリチウムモリブデン系グリスを注入している。
それで不具合が出たと言う話も聞かないので、きっとそれ程気にしなくても良いのかもしれないが、極圧性を謳ったグリスにした方が良いとは思う。
グリスアップポイント 計6カ所
フロントデフ側
ユニバーサルジョイント 1カ所
トランスファ寄り フロント側
プロペラシャフト 1カ所
ユニバーサルジョイント 1カ所
トランスファ センターブレーキ側
プロペラシャフト 1カ所
ユニバーサルジョイント 1カ所
リアデフ側
ユニバーサルジョイント 1カ所
←最初、定番の手動グリスガンを使ったが
クリーパーで寝転がって作業しているせいもあり
棒ノズルだと長くて使えず、フレキシブルノズルだと力が入らず
上手くグリスアップ出来ない。そして手が3本欲しくなる。
そこで登場!エアグリスガン→
コンプレッサーのエア圧で注入してくれる。 初使用!!
本体の保持とトリガー操作が片手で行えるため、もう片方の手は、
ノズルをグリスニップル押しつける力に集中できる。
プロペラシャフト
ユニバーサルジョイント
プロペラシャフトに注入すると付け根の部分から古いグリスが出てくる。
ユニバーサルジョイントも可動部隙間から円形に古いグリスが出てくる。
この色は何??劣化したグリスか?
ノズルはニップルに対して真っ直ぐになるように保持し押しつける様に力を加える。
上手く内部へグリスが注入されないと、ノズルの隙間や脇からはみ出して来る。
コレは新しいグリスが満足に注入されずに古いグリスが押出された物ではないので
勘違いしないように。
上手く内部へ注入されたら、左の写真の矢印の様に明らかに違う場所から古い
グリスが押し出されてくる。
古いグリスが全て入れ替わると新しいグリスが出てくるので、
それまで頑張って注入を続ける。
プロペラシャフトに使用したグリスはホームセンターで購入した「リチウムグリス」ちょう度2。
今回のグリスアップでの使用量は3/5本位か。
押し出された古いグリスは綺麗にふき取る。 放って走ると、遠心力で車の底に綺麗な模様ができる。。。
大量に古いグリスを処理しなければならないので、捨ててもいいウエスとかペーパータオルとか、
とにかく沢山あった方がいい。また、ユニバーサルジョイントの隙間に残り溜まったグリスがとても難儀する。
REEは割り箸などにウエスを巻きつけてやってみたものの完全に綺麗に全て取り除くのは難しい。
最後はエアをバンバン吹き付け手はみ出たグリスを吹き飛ばす。そこら中グリスだらけ。
以上、下廻りグリスアップ、作業時間ゆっくり休みながらで60分ほどでした。
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