サーペンタインベルト(補助ドライブベルト)。純正品番 PQS101500
エンジンの駆動力を利用して、ラジエータファン、オルタネーター、エアコン、パワステポンプ
などの補機類を同時に駆動させるためのベルト。
車によってはベルト2本とかに分けて幾つかの補機類を駆動させるが
Td-5の場合、クランクシャフトの駆動から1本のベルトで全ての補機類を駆動させる仕様になっている。
サーペンタインベルトの指定交換サイクルは走行16万km or 96ヶ月。
REEの車輌はまだ10万kmほどだが、15年経過しているので、予防整備として交換する事にした。
特殊工具が必要だが交換作業自体は至って簡単
冷却ファンカウルを取り外す。
上部のビス(pz#2)4本を緩める。
90°程回すとロックが外れ、更に90°程回すと完全にフリーになる機構。
冷却ファンカウルは、慣れないと引っかかって中々取り外せない。
コツは、写真左側から持ち上げ、右側は車輌後方にスライドさせるように外す。
ラジエーターを保護
作業中にラジエーターのフィンを傷付けない為に
写真の様に冷却ファンとラジエーターの間にダンボールなどを挟み込むとよい。
ダンボールのサイズは約420mm☓520~30mmくらい。
特殊工具(ファンナットレンチとプーリー固定レンチset)
純正品番 PM1278は6mm厚で鋼鉄に銀亜鉛メッキが施されている。
サイズさえわかれば簡単に手作りできそうなもの。
この3つ穴をアイドラプーリーのボルトに引っ掛け回り止めをして
ビスカスファンのナットにレンチを掛けて使用する。
アイドラプーリーの回り止めさえ何とかできれば
ナットレンチはベンツやBMW用のファンナットレンチ36mmで代用できそう。
レンチを掛ける
冷却ファンのナットは通常の右ネジで締まっている。
写真、右のレンチがナット、左のレンチはアイドラプーリー。
矢印の方向に力を加えると緩む方向。
レンチの後端には1/2sqの取り付け穴が空いている。
かなり固く締まっているし力を入れづらい態勢なので
この取り付け穴にスピンナハンドルとラチェットで延長した。
冷却ファンを外す
上でナットが緩んだらレンチを外して
後は冷却ファンを反時計方向に手で回すと
ナットの厚み分くらいで急にストンッと外れる。
外れるタイミングはつかみにくくて
どんなに気をつけていても思わず落下してしまう。
準備でダンボールを入れたのは
この時ラジエーターのフィンを保護するため。
この冷却ファンは、ただの羽根ではなく
中心部にバイメタルを備え温度を検知し
内部にはシリコンフルードが循環する通路があったり
ビスカスの機構があったりと精密な機能を持った部品なので
あまり雑に扱ってはいけない。
①クランクシャフト
②オルタネーター
③テンショナー
④アイドラープーリー
⑤エアコン
⑥補助
⑦パワステ
テンショナープーリーを緩める
上写真の③テンショナープーリーにレンチを掛けて反時計方向へ止まるとこまで回す。
(WorkshopManual にはレンチを引く方向を「時計方向」と記載があるが逆※)
2時くらいの角度にレンチを掛けて引くと12時の位置で止まるくらいになる。
使用するソケットのサイズは15mm。
テンショナーはバネになっているので、写真の様にレンチを引いた状態で保持してベルトを外す。
(片手でレンチを引いた状態を保持しつつ、もう片手でベルトを外すことも出来なくはない)
この状態でベルトが全体に緩んだ状態になるので
④アイドラプーリーからずらすようにすると簡単に外せる。
※同じTd5エンジンのDISCOOVERY2は時計方向
外したベルトを確認するとぜーんぜんキレイ。え?これなら交換の必要ない?
とも思ったが、一応予防整備ということで交換しておく事に。
ベルトの取り付けは、外す時と同じくテンショナープーリーにレンチを掛けて引いた状態を固定をして取り付けを行う。
取り付け時は両手を使わないとなかなか難しい。上の図の経路でベルトを掛けていくが
各プーリーの溝を合わせ最後にアイドラプーリーにずらす様にしてかけるのが最も楽な順か。
ベルトが掛け終わったら、各プーリーの溝に正しく合っているか、溝のないプーリーは大体中心にきているか確認して
テンションプーリーを自然に戻る元の位置にしてレンチを外す。
ベルトの張り具合は、テンショナーが自動で行うので手動で調整することはない。
冷却ファンを取り付けるが、このナットがプーリーのネジになかなか噛みくい。
手だけでも出来なくないがネジ山を噛ませるのが結構困難。
コツは、ファンナットレンチを使うこと。
右手で冷却ファンを保持しなるべく左側からナットにレンチを掛けネジ山を噛ませるように回す。
少しでもネジ山に噛み込めばこっちのもの!後は冷却ファンを手で時計方向に回せばよい。
最後まで回せたら、取り外した時と逆の要領で2つのレンチを掛けてガッツリ締め付ける。
ラジエーターを保護していたダンボールを取り去り(REEは一度取り忘れた)
冷却ファンカウルを取り付けて終了。
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