ディフェンダーがTd5エンジンを搭載した頃から内装が一新され、
運転席と助手席のウインドウのみ、手回しのレギュレーターからパワーウインドウが装備された。
が、全開、もしくは全閉するのにずっとスイッチを押してなければならない。手放しで全開全閉ができるオートウインドウ機能はない。
ETCになり高速の料金所で窓を開けることも少なくなったが、意外にオートウインドウがあったらなーというシチュエーションはあるもの。
選んだのは、コムエンタープライズの「オートウインドウキットver4.2」
パワーウインドウのスイッチをダブルクリックすることで、自動的に全開、全閉できる。
この製品は開閉時間を学習するので、パワーウインドウのモーターに負担がかかることはない。
更に、ドアが開いた時に自動的にウインドウがすこしだけ降りて閉まると全閉になるパーシャルウインドウまで搭載。
室内への風圧での閉まりにくさを解消できる。
キット内容
- コントローラー
- 専用ハーネス(ヒューズ付き)
- 取り扱い説明書
コントローラーの大きさは70×60×26(mm)
専用ハーネスの長さは測り損ねたが
余裕のたっぷりある長さ(かなり切断した)お値段はお安いです。
ここからの作業は ①あらかじめウインドウを全開の状態からスタート ②コントローラからコネクタを外した状態からスタート
この製品がプラスコントロールなのかマイナスコントロールなのかで配線の仕方が変わってくる。
まずは、ディフェンダーのパワーウインドウが、プラスコントロールなのかマイナスコントロール
なのか、どちら側の線が上昇線、あるいは下降線なのかを調べる。
WorkshopManual の回路の説明を読んでも、英語を日本語訳したものなので判りにくい。実際にテスターであたった方が確実。
WorkshopManual パワーウインドウコントロール回路の説明(上昇)
アップ
ウィンドウ スイッチを「アップ」位置にすると、電流はOR その後R ワイヤでスイッチ(C0242)を経由して右側ウィンドウ リフト モータ(C0326)へ流れる。
ウィンドウ リフトモータ(C0326)は、ウィンドウ スイッチ(C0242)を経由してU 、OU 、B ワイヤでアース経路を供給する。
その結果、ウィンドウ リフト モータはウィンドウを上げることができる。
WorkshopManual パワーウインドウコントロールの回路図
SWITCH-WINDOW -FRONT-RH O=オレンジ R=赤 U=青 B=黒 S=グレー
「SWITCH-WINDOW -FRONT-RH(S138)」が運転席側
コネクタの場所
左写真、「C0464」、「C0322」というコネクタは
運転席ドアを開けた前側
ドアとAポストをつなぐ黒いゴム製の配線チューブのAポスト側を取り外すとそこに収納されている。
ここからコネクターをたぐりよせる様に引き出す。白い方のコネクタが該当のコネクタ。
テスターで計る
白のコネクタ「C0464」、「C0322」を外して車輛側のコネクタのORあるいはOU のラインにはプラス端子を。
マイナス端子はボディアースに接続した状態で、ウインドウスイッチを上昇に操作した時の電圧を計ってみる。
何もスイッチを操作しない状態で
ORもOUも電圧は12V以上となっている。
ウインドウスイッチを操作した側の線が
電圧はほぼ0Vになる。
上昇線、下降線ともに、常にプラス電圧が接続されていて、スイッチを操作してアース(-)へ落ちた方が作動する、つまりマイナスコントロールということ。
そして、ウインドウスイッチを上昇側に押したときに0Vを示したのは OR なので、こちらが上昇線となる。
まとめると
ディフェンダーはマイナスコントロール車でOR、 Rが上昇線、U、OUが下降線 であることがわかった。
取扱説明書
上昇線 = ORがウインドウスイッチ側 Rが上昇線のウインドウモーター側
下昇線 = OUがウインドウスイッチ側 Uが下昇線のウインドウモーター側
なので、以下のように配線すればよい
緑、緑白、茶、灰 は ↑ の様につなぐ
該当のコネクタを切断し、ギボシ端子を取り付ける。コネクタを切断してしまうので、
万が一このユニットが故障した場合に元に戻せるようにオス・メスの取り付け方向を注意する。
緑、緑白、茶、灰の線は、Aポストとドアを結ぶコム製のチューブに小さな穴を開けあらかじめ通しておいてから
R⇔緑、U⇔緑白、OR⇔茶、
OU⇔灰 につながるように、各線にギボシ端子を取り付ける。
赤と青と青白の線は束ねて常時電源へ。(必要容量20A以上)。
REEの車両は元々バッテリーから直引きで常時電源としてプラスとマイナスの幹線を
引いてあるので、そこから分岐カプラ(青)で分岐した。
黒と紫と紫白の線も束ねてアースへ。こちらも幹線のマイナス側から分岐カプラ(青)で分岐した。
黄の線は、ドアスイッチのグレーの線に分岐カプラ(赤)で分岐した。
マイナスコントロール車の設定
コントローラの裏蓋を開き、左写真の基盤を取り出す。
基盤にある赤いディップスイッチの1番を「OFF側」(下)にする。
- 全ての配線のつなぎ込みが終わったらウインドウが全開になっていることを確認してコントローラにハーネスのコネクタを挿入する。
- 約2秒後にウインドウが少し上がるのを確認したら、ウインドウスイッチで全閉にして手を離す。
- コントローラから「カチッ」とリレーの音がして、開閉時間の学習が完了する。
配線は面倒でもすべてコルゲートチューブ等で処理するのが鉄則。
配線の端子接続、回路に必要に合わせてヒューズを介すなど車両火災を
未然に防ぐための安全策はおろそかにしない。
下はコルゲートチューブに配線を通す便利なグッズ
この様に配線を挟み通して、先端をコルゲートチューブに差し込んで
滑らすと 、いとも簡単にチューブの中に配線が収まっていく。
このグッズ工具屋STRAGHTでたったの¥180円。コスパ大。
操作は、ウインドウのスイッチのダブルクリック。全開、全閉したい時にダブルクリックすると、オートで全開もしくは全閉になる。
ウインドウ開閉時間を学習しているので、開閉完了時のレギュレータモーターへの負担はない。
オート動作中にウインドウスイッチのアップかダウンいずれかを1回押せば、オート機能は解除されて止まる
この機能は、ドアが開いた瞬間にウインドウが少しだけ下がり、閉じたと同時にウインドウが閉まり
ドアを閉じた時のキャビンの内圧による閉じにくさを解消してくれる機能。
ディフェンダー乗りなら「はい?」って声が聞こえそう。元々密閉がさほどでもないので、この機能は不要ではありませんか? と。そうなんですよねぇ。
でもディフェンダーって意外に密閉性は悪くはないとは思います。この機能に必要を感じない、そういう向きはこの機能は任意なので黄線は配線をしなくても可。
線端をビニールテープなどで保護してボディなどに接触しないように処理しましょう。
REEも実際最初はこの機能を生かしてましたが、ドアの開閉の度に動作するのが少々うざく感じる様になったので、黄線を外して機能をオミットしました。
このオートウインドウキットを装着して、やはりとても便利。使い勝手もよく何よりも安全。
作業は少々面倒だが、面倒対効果を考えるとメリットは大きいと思う。
このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです