このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです

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フューエルインジェクタ
シール&ワッシャー交換

  

  

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 この記事は2005年式のTd5ディフェンダーで行ったものです。同じディフェンダーでも、年式や形式、同じ年式でも微妙に仕様が違ったり
使用している部品番号が違ったり、新しい部品番号に変わっていたりしますのでご注意ください。

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Fuel Injector
oil indicator

 Td5エンジンのフューエルインジェクタのシール・ワッシャーはある時期が来たら交換したほうが良い。
このシールやワッシャーが劣化するとオイルに軽油が混じり、それがロッカーカバー内に上がり燃費の悪化
エンジンオイルに混じることで当然エンジンオイル本来の性能を果たせなくなる。
そして症状としてはオイル量がいつの間にか増える。
最悪の場合、ロッカーカバー内に上がった軽油の量によってはブローバイホースから吸気側へ吸い込まれ
シリンダーへ到達すると、アクセルオフであっても、どこまでもエンジンが吹け上がり
キーオフでもエンジンが停止しないという、考えただけでも恐ろしい事態に陥る可能性がある。
 オイルの量が何故か増える現象がある場合はもうイエローサインと思った方がよいかもしれない。
新車から17年、11万キロ超のREEの車両も既にオイル量が増える傾向にありイエローサインと思われるので
フューエルインジェクタのシール・ワッシャー交換することにした。

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全般的に肝心な所の写真がなかったりしますが、作業に夢中だったのでご容赦orz

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冷却ファン取り外し
   
冷却ファンカウル
 

 特殊工具が必要だが冷却ファンの取り外しは至って簡単
  
 後に、インジェクタユニット取り外しの際とロッカ調整の為に
クランクシャフトを回転させるので冷却ファンの取り外しが必要。
冷却ファンカウルを取り外す。
上部のビス(pz#2)4本を緩める。
90°程回すとロックが外れ、更に90°程回すと完全にフリーになる機構。
冷却ファンカウルは、慣れないと引っかかって中々取り外せない。
コツは、写真左側から持ち上げ、右側は車輌後方にスライドさせるように外すとよい。      

   
ダンボール
 

 ラジエーターを保護
  
 作業中にラジエーターのフィンを傷付けない為に                   
写真の様に冷却ファンとラジエーターの間にダンボールなどを挟み込むとよい。
ダンボールのサイズは約420mm☓520~30mmくらいが最適サイズ。

PM1278
 
アイドラプーリー
 

 特殊工具(ファンナットレンチとプーリー固定レンチset)
  
 純正品番 PM1278 は6mm厚で鋼鉄に銀亜鉛メッキが施されている。
サイズさえわかれば簡単に手作りできそうなもの。
この3つ穴をアイドラプーリーのボルトに引っ掛け共回りを防いで
ビスカスファンのナットにレンチを掛けて使用する。
アイドラプーリーの共回り止めさえ何とかできれば
ナットレンチはベンツやBMW用のファンナットレンチ36mmで代用できそう。

  レンチ掛け
 

 レンチを掛ける

 冷却ファンのナットは通常の右ネジで締まっている。
写真、
右のレンチがナット、左のレンチはアイドラプーリー固定だとすると
矢印の様に内側方向に力を加えると緩む方向。
レンチを逆側にかけて開く方向に力を入れるより
内側に力を入れるこの方向の方が力をかけやすい。
レンチの後端には1/2sqの取り付け穴が空いている。
かなり固く締まっているし力を入れづらい態勢なので
REEはスピンナハンドルやラチェットなどで延長して行う。

ビスカスファン1
ビスカスファン2
  

 冷却ファンを外す
  
 上でナットが緩んだらレンチを外して
後は冷却ファンを反時計方向に手で回すと
ナットの厚み分くらいで急にストンッと外れる。
外れるタイミングはつかみにくくて
どんなに気をつけていても思わず落下してしまう。
ダンボールを挟み込んだのは
この時ラジエーターのフィンを保護するため。
この冷却ファンは、ただの羽根ではなく
そこそこ精密な機能を持った部品なので
あまり雑に扱ってはいけない。

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フューエルライン一部取り外し
アコースティックカバー
   

・アコースティックカバー前方から見て
 左側に1個、右側に2個の頭サイズ13mmのボルトを外す。

・アコースティックカバーを上に持ち上げて取り去る。


シリンダヘッドの燃料漏れをキャッチする為に容器を用意する。さほど漏れ出ないので小さくて大丈夫。(ウエスでもいいくらいか?)
「フューエルレギュレーターユニット」と「フューエルクーラー」のインレット側ホースのリリースコネクタを外す。
ちなみにこれは15Pエンジンの例。10Pだとちょっと違うみたい。

fuel brock

取り外すクイックリリースコネクタは
ピンクの○印のところの2箇所
右2つの写真が拡大図。
 

   
fuel hose

緑色のゴムカバーをずらし
容器を下に充てがいつつ
クイックリリースコネクタの両側の四角い
ボタンを挟み押しながらホースを引き抜く。

   
fuel hose

フュールクーラーの上側の黒い方のコネクタ。
容器を下に充てがいつつ
黒いプラスチックの部分を
抜く方向に押しながらホースを引き抜く。


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ロッカーシャフトカバー御開帳
ロッカーシャフトカバー

・ロッカーシャフトカバー上部のブローバイブリーザホースの
 クリップを外しホースを抜いて適当なところに避けておく。
・ロッカーシャフトカバーを留めている13個の
 頭サイズ8mmのボルトを外す。  

   
御開帳

ロッカーシャフトカバーをガスケットごと外す。いつ見てもワクワクする。


 

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インジェクタハーネス取り外し
ハーネス交換

各インジェクタ全5個のコネクタを外す。
矢印のクリップを押しながら引き抜く。
  

ハーネス交換  
ハーネス交換  

ロッカーシャフトキャリア前方下側
インジェクタハーネスに接続されている
コネクタを両側の爪を挟み押しながら引き抜く。


ハーネス交換


インジェクタハーネス前方を上に引き抜き
(前方のコネクタを下から押すと外しやすい)
インジェクタハーネスを取り外す。
  

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ロッカシャフトアッセンブリ取り外し
ロッカ調整スクリュ
   

 各インジェクタ全5本のロッカ調整スクリュの固定用ナットを緩める。ナットサイズは13mm
ロックナットは上方向に外れるので、緩めすぎて落としてしまわないように注意。
ロッカ調整スクリュを反時計に回して止まる所まで完全に引き出す。上方向には抜けない。

 ここで WorkshopManual には、第1シリンダーを上死点に合わせる為にタイミングチェーンのマークを合わせて
ロックピンを挿入しロッカシャフトをロックする とある。この工程が何を意味するのかREEは正直わかっていない。
ロッカはフリーになっている状態だし、でもロッカシャフトを外す時の何かしらの保護か。
WorkshopManual のヘッドのオーバーホールの過程に書いてあったことなので
後にロッカシャフトを回転させるのでロックピンは外さなくてはならないし
「タイミングチェーンのマークを合わせてロックピンを挿入」の工程を不要とし行っていない。
ネットの海外の記事でもこの工程は不要と言っている事が多い。

ロッカーシャフト

ロッカシャフトの頭サイズ10mmのボルト6本を
外側から内側へ向かって数回に分けて少しずつ緩める
WorkshopManual には外側からという指示はないが
一応この手のモノのセオリーとして外側から少しずつ緩めた。

ロッカーシャフト

ロッカシャフトのボルトをすべて抜き


 

ロッカーシャフト

ロッカシャフトを慎重に取り外す。


 


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インジェクタユニット取り外し準備
インジェクタロック
インジェクタロック
  

 インジェクタユニットをシリンダヘッドに固定している
馬蹄形のリテーナ、頭サイズ10mmのボルトを外し
(WorkshopManual には”トルクスボルト”となっている)
マグネットピックアップツールなどを使用して取り外す。


 インジェクタユニットを取り外す時に、ロッカーシャフトのカムローブの位置が下左の写真の様になっていると
インジェクタユニットがあたって取り出すことができない。またSSTを使用した時にカムローブを傷つける危険もある。
クランクシャフトを手で回転させ下右写真の様にカムローブをずらしてから取り外しの作業を行う。
各インジェクタユニットを取り出す毎にこの作業を行う。

ロッカローブ

ロッカーシャフトのカムローブが邪魔になり
インジェクタユニットを
取り出すことができない。

   
ロッカーシャフトレンチ

クランクシャフトのプーリーに
24mmソケットのラチェットレンチをかけ
時計方向に回転させて

   
ロッカローブ

ロッカーシャフトのカムローブが写真の様に
インジェクタユニットの取り出しに
邪魔しないところまで回転させる。


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インジェクタユニットの取り外しは1本ずつ行った
injector id
  

 REEはインジェクタユニットを「1本ずつ、取り外してシールとワッシャーを交換して取り付ける」とした。
インジェクタユニットは各シリンダー毎にECMにローマ字5文字のIDが登録されている。
Diagnostic toolを使用しないと登録できない。(写真のID右下の数字はシリンダー番号ではない)
ID違いのインジェクタユニットを取り付けると正常に動作しない可能性があるので、元の場所に戻す事が必要。
(条件によるだろうが、IDが合っていなくても大丈夫という情報もある)
という事があるので、シリンダーのID違いミスを防ぐため。(夢中になっているとやってしまいそうなので自己防衛)
と、今回始めての作業なので、取り付けた時に正確に取り付けられているか、隣のユニットと比べられる様にするため
エンジンの超主要ユニットだし、カムヘッドカバーを閉めてしまうと見えなくなる所だし
気軽にやり直し~という気分にはなかなかなれない所なので、念には念を。

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インジェクタユニットの取り外しにはSSTが必要?

 結論から言うと必要! 費用対使用頻度を考えると高額だけど、SSTを使用することを強く薦める
海外の多くの youtuber が右の写真の様に、ウォーターポンププライヤーを分解した片割れを代替工具として使用して
インジェクタユニットの下に充てがいテコの原理を使って外している。
最初はREEもお手軽にこれでやろうと準備していた。だからウォーターポンププライヤーを分解した写真がある。→ 
だがこの youtube動画の内、2件の動画で (1件は Td5 DEFENDER もう1件は Td5 DISCOVERY)
このウォーターポンププライヤーを代替工具として使用していて、後に別動画で
「シリンダーヘッドにクラックが発生している」という悲劇に見舞われていた。
2件とも、この代替工具を使用した事がシリンダーヘッドにクラックが入った原因だとは言及していないが
クラックが入っている場所的に明らかにこれが原因だろうと思われる。
アルミ製のシリンダーヘッドにテコの原理の支点荷重がしかもピンポイントにかかることになるから十分ありえる事だ。
この代替工具の使用は他の多くの youtuber が行っていて、トラブルに見舞われていない例の方が多そうだし
確実にこれが原因とは言い切れないが、REEはこれを見過ごすことができずSSTを入手することを決意した。

ちなみに、4mmの六角レンチ(長いやつ)でL字を利用して引っ掛けて
カツンと引っ張るという人もいる。こちらの方がまだ安全か?

wp puller

  

 インジェクタユニットを外すための純正SSTの品番は LRT-12-154/1 。多分我々ユーザーが入手できるのはOEM品やサードパーティーのもの。
REEは ebay で「td5 injector puller」と検索して引っかかった一番安いやつを入手した。SEALEYという工具メーカーのもの。
英国から送料込で日本円15000~16000円くらいだったと思う。到着は1週間ほどだった。費用対使用頻度で言えばめちゃくちゃ高いと思う。

injector puller
injector puller
 

 分割できる筒状の下部でインジェクタユニットを挟みリングで固定。
柄がスライディングハンマーになっていて、数回ショックを与えると外れる。  
という仕組み。
さほど無理している感もないし、意外にすんなりと外れる。
構造上垂直方向に引っ張ることが重要で、そこはさすが専用工具
あまり意識せずに垂直方向にショックを与えることができる。

injector puller
injector puller
 

 筒状の下部には、インジェクタユニットにピッタリ合う形状で切り欠きがある。
この切り欠き同士をしっかり合わせないとならないわけだが
挟み込む向きさえ間違わなければ、しっかりハマっている事がわかるので
難しいことはあまりない。

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Oリングシールと銅ワッシャー交換
プライヤー
シールツール
 

 WorkshopManual ではOリングシールと銅ワッシャーの交換に関して
SSTの使用が指示されていて、その方が効率よく作業できるだろうが
ここは手持ちの工具で充分。SSTは特に使用しなくて大丈夫。
・銅ワッシャーにはペンチ or プライヤーなど
  銅ワッシャの厚みはわずか0.2mm。
 この0.2mmの厚みだけをしっかり咥えなければならないので
 ジョウの部分が切り立ったプライヤーやペンチが都合よい。
・Oリングシールにはマイナスドライバーなど
  マイナスドライバーを使用してもよいが
 REEはOリング等シール類を取り外すときは
 先端に丸みを持たせたツールを使用している。
 シール類や筐体に傷をつけないので安心して使える。

銅ワッシャー

0.2mmの厚みだけをしっかり咥え
少し回転させて緩ませる。
その後は手で取り外す事ができる。

   
Oリング

どうせ廃棄するので
外す時は何も気にせずに外すだけ。
難しいことは何もない。

   
廃棄

外したOリングシールと銅ワッシャー。
これらを廃棄し交換する。
当然インジェクタユニット5本分全部。


インジェクタユニット
 

 新品のOリングシールと銅ワッシャーに交換。
取り付ける場所とOリングシールに傷や過度な負荷を与えない事さえ注意すれば、作業自体難しいことは何もない。
不具合でたからもう一度 ってなることは避けたい作業なので、少し値段は高いが純正OEM品を選択。
品番は DA2479G という、Oリングシールと銅ワッシャーが5個ずつ入っているSET。
ランドローバー純正品の DA2479LR でもよかったが、時間がかかりそうだったのでOEM品にした。
シール類は社外品より純正品や純正OEM品を選んだほうがよい。社外品は時に粗悪なものがあるので心配。
外したOリングシールと同じ色。今まで装着されてたのと、まるっきり同じものと思われる。
現在流通しているOリングシールの純正品は薄緑色の様だ。

Oリングシールだけとか銅ワッシャーだけでも入手はできる。
Oリングシールの純正品番は ERR7004
銅ワッシャーの純正品番は ERR6417

インジェクタユニットのノズル部分の清掃は、何となくヒヨって800番のサンドペーパーで軽くさらう程度に留めた。

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インジェクタユニットを元に取り付ける前に

 普段、和訳された WorkshopManual を参考に作業しており、そこにはこうある。
12. 各シリンダがTDCになるまで、エンジンを手動で回転させ、手動ポンプを使用してピストンボウルから余分な燃料を取り出す。
最初REEはこの文で困惑した。作業するシリンダが上死点になるまでクランクを手で回転させ  と、ここまではわかったのだが
後半の「手動ポンプを使用してピストンボウルから余分な燃料を取り出す」のくだりが理解できず、”ピストンをポンプ代わりに使う??”など
訳の分からない方向へ理解が進み困惑の至りだった。(たぶんREEの理解力が乏しいのだが)
しばらく悩んだ末に Technical Publication USB を開き、オリジナルの英文をみるとこうだ。
12. Rotate engine manually until each cylinder being worked on is at TDC, and remove excess fuel from piston bowl using a syringe.
そう、「a syringe」 手動ポンプと訳されているのは注射器の事だった。注射器を使用してピストンボウルの余分な燃料を取り出す。ということだ。
よく考えればすぐにわかったはず。理解力の欠如と言うより、想像力の不足だ。

a syringe  

手動ポンプ = syringe = 注射器
 

 

 この作業は重要。らしい。。(海外フォーラム情報)
 インジェクタユニットを元に戻す前に
そのシリンダーの穴に左の写真の様な注射器を使用して
ピストンボウル(円柱であるピストンの上側の底面)の燃料を吸い取る。 
シリンダーをTDCにするというのは、その作業をし易くする為と思うが
REEは注射器に接続したシリコンホースを穴へ突っ込んで燃料を抜いたので
この「TDCする」という工程は省いた。
思っている以上に燃料はが抜けたが、そうは言え、そこまで大量じゃない。

 
piston  

ピストンボウルは
矢印のくぼみ部分

インジェクタユニット取り付け

 ピストンボウルの余分な燃料を抜いたら、インジェクタユニットを取り付ける。
元あった位置に差し込むが、この時、銅ワッシャーが脱落し易いので注意。
どうしても脱落してしまう場合は、銅ワッシャーだけ先に穴へ入れておいて
インジェクタユニットを注意深く挿し入れる、でも大丈夫と思う。
REEはどうしても脱落してしまう1本だけは、その方法で行った。
 インジェクタユニットの取り付けで注意は、最後にグッと押し込む。
カクッとハマった感触があるはずなのでそこまで確認する。
このハマった感がないと、多分正常に取り付けられていないので注意。

  
インジェクタ

インジェクタユニットがハマったら馬蹄形のリテーナを戻し、10mmのソケットでトルクは32Nmで締め付ける。

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本来はロッカ調整スクリュとロックナットは廃棄(WorkshopManual より)
 

 ロッカーシャフトのロッカ調整スクリュとロックナット。
WorkshopManual では「廃棄する」となっている。再使用不可だ。
けど、ほとんどの人が再使用していると思う。 なぜならー
ロッカ調整スクリュ1本9900円だから。これを5本で5万円だから。
強いトルクをかける所でもなく、見ても傷んでそうもないスクリュ。
「再使用しよう」となるのが普通。
REEもかなり悩みに悩んで結果新調することにした。
再使用しても何の問題もないだろうとは思う。
大切な宝物、相棒に敬意を表して、目を瞑ってポチッとした。
たぶん新調するのは少数派です。

 ロッカ調整スクリュ 純正品番 LGV000020
 ロッカ調整ロックナット 純正品番 ERR5529
                      金額は2022.8月現在

 
調整スクリュ

1本¥9900(税込)

ロックナット

1個¥165(税込)

調整スクリュ

ロックナットを外して

調整スクリュ

下からじゃないと抜けない

調整スクリュ

見た目では新品と変わらない

調整スクリュ

5本分全部新調

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ロッカーシャフトの組み付け
ロッカーシャフト
 

 ロッカ調整スクリュとロックナットは一番緩んだ状態にして
注意深くロッカーシャフトをロッカーシャフトキャリアに乗せる。
この時 5個のロッカ部分が、こっち戻したらあっちが回ってと、もぅクルクル回って
 あ"ーもぅ! ってなる。(ロッカーシャフト組み付けあるある)
WorkshopManual には
新品の固定ボルトを取り付け、中心から外側へ向けて32Nmで徐々に締め付ける。とある。
ここは固定ボルトは本来は廃棄。新調せず再使用した。(一貫性のなさ。。取り寄せ失念しました)
ちなみに、固定ボルトの純正品番は LYG101510。6本必要。
固定ボルトは頭サイズ10mm内側から外側へ数回に分けて徐々に締め付けていき
最終的に32Nmで締め付ける
。組み付け時については締付順が WorkshopManual に指定されている。

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フューエルインジェクタ・ロッカの調整

 カムシャフトカバーをする前にフューエルインジェクタのロッカ調整が必要。
インジェクタ取り外しの時と同様に、クランクを手で時計回りに回転させて作業するインジェクタのロッカが完全に持ち上がる所にする。
どのインジェクタからやっても良い。

クランク

クランクシャフトのプーリーに
24mmソケットのラチェットレンチをかけ
時計方向に回転させて

   
カムシャフト

ロッカを完全に持ち上げる。
つまり
インジェクタが一番押されている状態。

   
カムローブ

ローブの頂点で
ロッカが完全に持ち上がった状態。
 


 マイナスドライバーでロッカ調整スクリュを時計回りに回し、プランジャが底部に着くまで締め込んでいく。
この「プランジャが底部に着くまで」と言うのは、調整スクリュの先端がインジェクタユニットのトリガー(ステムエンド?)に当たったポイントではない。
調整スクリュの先端がインジェクタユニットのトリガー(ステムエンド?)に当たってから軽い力で一旦止まるポイントもあるがそこでもない。
軽い力で一旦止まるポイントから更に締め込んで、ユニットのスプリングが圧縮されながらユニット内部でプランジャが底部に当たり止まる所までのこと。
プランジャが底部に達した感覚は容易に感じ取れる。(タペット調整の要領とは違うので間違いなく)
プランジャが底部に達したら、調整スクリュを反時計回りに1回転戻しユニット内部でのプランジャのバンプクリアランスを確保する
調整スクリュが動かないように注意しながらロックナットを16Nmで締め付ける。

ロッカ調整

マイナスドライバーは
ある程度力を入れられて
短めのものがあるとやり易い。

   
プランジャ

ユニットのスプリングが
圧縮され押し縮められるのが正しい。
 

   
ロッカロック

調整スクリュをロックする時は
スクリュが動かないように注意して
ロックナットを16Nmで締め付ける。


 残り4箇所それぞれのインジェクタロッカについても同様に調整する。

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元戻し 忘れ物なきよう
 

・インジェクタハーネス
 それぞれのインジェクタにコネクタをカチッとハメる(クリップは押さなくてよい)。前方の下から挿すコネクターも忘れずに。
・ロッカーシャフトカバーのガスケットは新品にして、ガスケットが撚れない様に注意しながら閉じる。
 今回はシーリングワッシャーも新品に。 13本のボルトを締め付ける。特に締め付けトルクは指定されていないので程よく。
 (シーリングワッシャーに関して WorkshopManual では「必要なら新品と交換」とされている。)
・ロッカーシャフトカバー上部のブローバイブリーザホースも挿し戻す。クリップも忘れずに。
・「フューエルレギュレーターユニット」と「フューエルクーラー」のインレット側ホースのクイックコネクタもカチッとハメる。

インジェクタハーネス

前方下から挿すコネクターも忘れずに

 

  
カバーガスケット

ガスケットは必ず新品に
純正品番 LVP000020
 

  
シーリングワッシャー

シーリングワッシャー
これもガスケットの一部です
純正品番 ERR7266

ブリーザホース

ブリーザーホースクリップも忘れずに

  
フューエルホース

クイックコネクタでカチッと

  
フューエルホース

クイックコネクタでカチッと

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エンジンを掛ける前にフューエルラインのエア抜き(フューエルフィルター交換のページより抜粋)
新フィルター
新フィルター
  1. キーをOFFにして15秒待つ。(通常は既にOFFになっているでしょう)
  2. キーを Ⅱの位置(ON)にする。(エンジンはかけない) 警告灯がいくつか点灯する。
  3. エンジンチェックランプが消える前に、アクセルペダルを5回踏む。(この間REEの車輌では2.2秒でした)
  4. エンジンチェックランプが点滅し始め、パージモードに移行する。
  5. と同時にフューエルポンプが自動でエア抜き作業を開始する。(下のYou Tubeリンクで音をお聞きください)
  6. 約30秒エア抜き-約5秒停止 を自動で数サイクル繰り返す。(6~7サイクルほどかな?)
  7. エア抜き作業が終わると、エンジンチェックランプの点滅が消灯する。
  8. 一旦キーをOFFにし、通常通りエンジンをかける。

音量注意!

パージモードでエア抜きをしている音

 パージモードにより、自動でエア抜きを行っている音、2サイクル分。
明らかにエアが混入している音が判る。 これを数サイクル自動で繰り返しエア抜きを行ってくれる。

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エンジン始動 からの始動困難

 エア抜きも終わりエンジン始動。セルは元気よく回るも一向にエンジンかからず。
初爆も感じられず、ただセルが回るのみ。燃料は満タン。エア抜きを何回もしてみたり
フューエルフィルターのエアブリードバルブを変えてみたりしてもナカナカかからない。
ピストンボウルの余剰燃料の取り出しが甘かったのか?
ネットで海外のフォーラムを漁ると
同じくインジェクタシール交換後の始動困難が多く、その多くが
「根気よくエンジン始動を繰り返す」「根気よくやってかかった」的なものが多かった。
REEの感触的にも、きっと根気よくやればかかるだろうと思っていたが、ここは住宅街。
キュルキュルキュル!と何度もクランキングしていると、近所にかなり迷惑。
バッテリーも永遠ではない。
(PanasonicのCAOSバッテリーがハンパなく強靭だということがわかった。ホントスゴイ)
ということで、不本意ながらHELPを使いました。

 
ドナドナ

 出来るなら根気よく頑張りたい所だったが、流石に2週間ほど毎日キュルキュル言わせているのも気が引け、この先はとあるショップにお願いすることにした。
ショップでは一応、燃料ラインの点検も行ったが問題はなかった。そして、根気作業はエンジン始動まで1時間を要したとのこと。
さすがにPanasonicのCAOSバッテリーでも最後は音を上げた様で、しっかり充電して返車となった。
 海外の youtube で。2~3回のクランキングでかかっているモノもあり、全てがエンジン始動まで1時間かかるわけではないだろうが
住宅街で行うべき作業ではなかったかもしれない。
近所に迷惑がかからない敷地を持ち、元気なバッテリーをもう一つでも用意できる環境なら頑張れたのだが、、。

 作業から1ヶ月ほど経つが、オイル量が増えることはなくなった。やはりインジェクタシールが劣化していた事が確定。
新車から17年11万キロ超の相棒、絶好調です。これでしばらく大丈夫なハズ。