このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです

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ウォッシャーノズル ワイパーアームへ移設
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 この記事は2005年式のTd5ディフェンダーで行ったものです。同じディフェンダーでも、年式や形式、同じ年式でも微妙に仕様が違ったり
使用している部品番号が違ったり、新しい部品番号に変わっていたりしますのでご注意ください。

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 冬支度のページで雪用ワイパーの状態でウォッシャーを噴射するとワイパーブレードの高さが高いために
ブレード部に直撃して、窓に直接かからない不具合がある事を書いた。その解決策でもあり
高速道路走行中でもフロントウインドウにウォッシャー液を効率よく行き渡らせるための策でもある。

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-ワイパーアームへ移設検討-

 REEがその昔乗っていた、いすゞのピアッツァという車は、ワイパーがワンアームで、効率よくウォッシャー液がフロントウインドウに行き渡るように
ウォッシャーノズルがワイパーアームに内蔵されていた。 ワイパーの動作と同期して無駄なくフロントウインドウにウォッシャー液がかかり
とても合理的でどうして他の車が採用しないのかと思う。そこで、どうにかワイパーアームからウォッシャーを噴射する方法がないかと
色々とネットで調べたところ、ワイパーアーム自体がそのようになっている製品を見つけた。が、これは車種専用設計で当然ディフェンダー用なんて無い。
次に見つけたのが、いすゞのトラック部品を流用している個人の方がいらした。そのページに書かれていた部品番号から、
いすゞの部品サービスで取り寄せようとしたが、該当が無いと言われて断念。

 そんな時見つけたのがこの製品「HRSオリジナルワイパーウォッシャーノズルキット」  
                ↑リンク切れ↑
ワイパーアームに本体を取り付け、既存のウォッシャーホースから分岐するシステム。
このキットは「HRS」と言うショップで取り扱っている。
HRSはレーシングマシンなどのファクトリーショップである。

ワイパーウォッシュ
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-キット取り付け作業-

ワイパーアーム取り外し

ワイパーアーム

 まずワイパーアームを外す。
カバーは左写真のようにカパッと手で開きナット(13mm)を外す。
そのまま力ずくでアームを引っ張るも、ガタガタやるも
全然外れる気配なし。それどころか、なんか壊れそう。。 
「専用工具は神」ワイパーアームリムーバー!
それほど高額ではないが、これきりで一生使わないかも。。。
何かの時に流用できるだろうか。。。
でも、すんなりと外れたから、なんだかスッキリ!

ワイパーアームリムーバー

アーム部分に穴あけ

 ワイパーアームに本体を取り付けるための穴を各2カ所あける。
位置は現物をあてがってマーキングした。ブツを確実に固定する!
これ安全と正確さの為には必須!穴あけに使用する刃はφ2.5mm。
そして、鉄鋼にドリルする前には絶対必要な作業、センターパンチ。
後で微調整は利かないのでじっくりと正確にパンチングする。
切削油を垂らしドリルの刃先をパンチ跡にあてがって、
最初はゆっくり目に回転させ、ある程度したら高回転にする。
当時ボール盤を所有していなかったため
手持ちで垂直を意識して頑張った。

パンチング

このパンチングが全てを決める
と言っても過言ではない!

ドリル

正確で安全な作業はブツの固定にあり。
そして垂直を意識せよ!


タップたて

タップたて

この写真の様に曲がらないように充分注意する。

タップ立て

じっくり慎重にやるに越したことはない。

 上であけたφ2.5mmの穴にφ3mmのタップを刻む。
これも切削油をさした方が綺麗に切れる。
最初は少しだけ力を加えてタップの刃を加工物にかみ込ませる。
少しだけかみ込んだら穴の垂直を意識しながら回転させていく。
時々逆回転を交えながらゆっくりと
タップビットが貫通したらゆっくりと逆回転させる。


取付部にネジロック剤

 一応フロントウインドウで可動している部分への取り付けなので
安全のためにネジ穴にロックタイト242をさして、本体を取り付ける。
ロックタイト242は中強度のネジロック剤。
強強度のにするとネジがホントにとれなくなるらしい。
乾いてしまう前に、取り付けを行う。
意外にサラサラの液体で、すぐに乾くことはないので焦らず大丈夫。
それでも10分ほどで硬化をはじめ、1~2時間で実用強度になるので注意。

242
242

ホース取廻し

ホース位置
  上部のダッシュボードを外す
  1. 上のデフロスター吹き出し口パネル左右それぞれの2本のビスを外しパネルを両方外す。(POZ#2)
  2. ダッシュボード上部の大きめのビスを3本外す。(POZ#3)
  3. 助手席側の三角になっているハンドグリップのビスと(POZ#2)
    Landroverマークをマイナスドライバー等で外すとあるビス1本を外し(POZ#2)
    ハンドグリップを取り去る。
  4. 運転席側の端っこ上部のビス1本と側面に2本あるビスの内 上のビスを外す。(POZ#2)
  5. ダッシュボードの下部に見えているビス2本を外す。(POZ#2)
  6. メーターパネルの側面上側のビスを左右1本ずつ外す。(POZ#2)
  7. メーターパネル下部のビスを左右1本ずつ外す。(POZ#2)
  8. メーターパネルをステアリング側にずらす。
3分岐

 これで上部ダッシュボードを取り去ることができる。                     
指差しマーク辺りにウォッシャー液ホースがある。
このホースを程良きところでブチッと切って2分岐を取り付ける。
この2分岐は追加メーター用のφ4←→φ4←→φ4


引き込み位置

 ワイパーアームからのホースをどこからダッシュボード内に引き込むか。            
ちょうど、左ハンドル仕様の場合のワイパー位置にメクラ蓋がしてある。
もう一方のワイパー側にも同じくメクラ蓋がある。
ワイパーアームのウォッシャーノズルからのびたホースはここからダッシュボード内へ引き込む。


グロメット

ゴムのメクラ蓋を一度外して(左)
真ん中の凸部分をくり抜いて
5mmくらいの穴をあける(右)。
 

グロメット

手持ちのφ5mm穴グロメット(右)
これと組み合わせるのを
思いついた時は自分天才と思った。
 

グロメット

このグロメットを メクラ蓋の
くり抜いた所に グイッと押し込む
これだけでも雨水など浸み込まなそう。
やばそうならシール剤投入。

グロメット

ワイパーから離れた所から引き込むので
付属のホースでは長さが足りず
お魚の水槽に使うゴムチューブを使用。
φ4←→φ4の継ぎ手で延長。


 付属のクリップをワイパーアームにパチンと取り付け。これがピッタリサイズだった。
そしてワイパーの動作とアームを立ち上げた時に負担が掛からない様に注意しながら、
アーム裏のスプリングにタイラップで2カ所留める。
タイラップはモノにより耐候性が極端に悪いものがある。なるべく天日にあたらない方がいい。
グロメットまでは昔使わずに取って置いたカーテレビアンテナ線用のガイドレールを使用。
ホースの径とこれまた感動的にピッタリサイズ。やっぱね、何でも捨てちゃいけないんですね。
わかりにくい写真ではありますが外見違和感なし!!

ワイパーウォッシャー

ダッシュボード内配管
配管

ダッシュボード内へはこんな感じで出てくる。
この写真は運転席側。
助手席側は見えにくいので割愛。

配管

2分岐に配管して。
しかし、ホースも長くなっちゃったし
2分岐してるし、水圧は大丈夫なんだろうか。。

配管

もしもの為に、いつでもすぐに戻せるよう
元々のノズルへいくホースには
継ぎ手を付けておいた。

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-完成-
完成
       
完成

 ウォッシャーのノズルは各2か所ある。待ち針で吹き出し方向を調整して。
ワイパーと一緒に動くので、窓全面にくまなく噴射されるのでとてもよい! 心配していた水圧も十分。

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-経過観察結果-
完成
      
完成

 2020年現在、14年ほどが経過。
前面のホースの半分むき出し状態が心配ではあったが、12年目で一度助手席側のホースに小さな亀裂。ホース交換実施。
何度も真冬に豪雪地帯に行ってもウォッシャー液が凍ってしまうこともなく(通年アンチフリーズの液を使用している)
ホースも14年経過で1本交換のみ。意外に劣化しない。