「ドアヒンジボルト交換などの参考に」 などと中途半端なタイトルは、自分がステンレスボルトに交換するでもなく、ドアミラーのガタツキ修理する上で、
ヒンジを外さなければならなくなったからで。 ならば、このサイトに訪れてくださる皆様に有益な情報を。。ということでこのタイトルにすることにした。
ディフェンダーのドアヒンジは、ボディにむき出しで、ディフェンダーらしさの象徴でもある。
このヒンジを留めているボルトがよく錆びてしまうのは、ディフェンダー乗りにとっての定番の悩み。
この記事は、ドアヒンジのボルト交換などの際に参考になり、ステンレスボルトに交換を考えている方などに参考にしていただきたい。
この作業は比較的、難易度は低く、短時間で済む作業なので、ステンレスボルトに交換など気軽にチャレンジできる。
ディフェンダーのドアは、フロント、リア共に上下2つのヒンジで支えられている。
この上下どちらかのヒンジを外すと、ドアの重さでバキッ!とならないか、という心配。
答えは
「上下どちらか片方のヒンジを外しても、一応1つのヒンジによってドアは支えられている」
ドアが開いている状態でも、上下どちらか片方のヒンジでドアは支えられてはいる。
なので、一人でも作業をすることは可能。 とは言え、やはりドアの重量で多少下がりはする。
もちろん荷重をかけるのも、揺らすのも厳禁! 作業はなるべく短時間で行いたい。
旧車のディフェンダーをお持ちの方は、ヒンジにクラックが入ってないか充分注意してほしい。
クラック入りや経年劣化でヒンジ破損も考えられる。あくまで自己責任で。
まずはドア側のヒンジボルトを外す。 ボルトは
ドアを貫通して内側からナットで留められている。
ドア内張りの脇から見ると
「ここにナットが在りますよー」とばかりに
わかりやすく切り欠きがあるが
共回り防止のためのスパナを入れる程の幅はない。
面倒な向きにはこの切り欠き部分から
ラジオペンチ的なモノで挟むというのも
スペースが狭いがアリかもしれない。。。
共回りするのを防ぐために、今回は
スパナを挿しこむための隙間をつくることにする。
内張上部にあるクリップファスナーをひとつ外す。
クリップの中心のピンを押し込んでから外す。
内張を少し手で引いて隙間をあけ、
スパナをナットにかける。
サイズはホントは1/2インチの様だけど少し
余裕があった方がかけやすいので13mmでOK。
(↑共回りを防ぐためだけなので)
内張をすべて取り払う様な
面倒な作業は必要はない。
ボルト径はM8で、 頭部形状はヘクサビュラ。
サイズはT40。 年式などによってPZドライブ
(もしくはプラス)だったり 六角だったりする。
※PZドライブについては
Hand Tools PB マルチクラフトグリップを参照
ラチェットは
エクステンションを使用した方が作業し易い。
ボルトが抜けてくるにつけ、
ラチェットヘッドがミラーの
アームと干渉するのであらかじめアームを
垂直以上ガクンと開いておくといい。
この機構はトレーラーを牽引した時の為に
ミラーを外側にオフセットできる
ディフェンダーならではの機構。
ヒンジとドアパネルの間にはこの様なシムプレートが挟まっている。プラスチック系のプレートだが、REEの車両は3枚挟まっていた。
ドア側のボルトは、内側でナットによって留められていた。では、ボディ側のボルトはどの様に留まっているか。
普通のナットで留まっているとすると、共回り防止のためのフロントサイドの内側へのアクセスはかなり厄介。どうなっているのか!
ヒンジを外したところ。左がドア側、右がボディ側。
REEのディフェンダーはオールペンしているので、
元色のチャウトンホワイトが見えている。通常は同色。
ボディ側はこうなってた! 写真右側
お気づきと思うがしっかりしたクリップナットがボディ側に装着されていた。
ナットの共回りを気にしなくてよい。内側にナットが落ちることもない。
下のヒンジも上と同様に、ドア側ナットのところは内張に切り欠きがありナットが見えている。
上部のようなクリップファスナーは無いので、単純に内張を手で引くと隙間を作れる。
ボディ側のナットは上と同じくクリップナットが装着されている。
上のヒンジボルト(内側)
下のヒンジボルト(内側)
リアのヒンジも、ドア側はドアを貫通して内側でナットにより留められ、ボディ側はクリップナットが装着されており、
フロントと同じ構造で取り付けられている。 内張には上下ともに同じく切り欠きがあり、ナットが見えている。
上部はドアロックのベゼルを外さないと、内張に隙間をあけることができない。
内張外しなどを使用して、写真①のように、真ん中に割とグッと奥へ突っ込み、
②の方向にテコの原理で持ち上げる。端をやると破損しやすい。
初めて外すときはかなり固くバキッ!と言うが、破損はしてなかった。
ピンク↑の方向に抜ける。
構造はこうなっている
・上は縦方向のスリットにベゼルの突起がはまっている。
・下はまるい突起が左右の溝にパチッとはまっている。
このドアロックのベゼルを外して、内張を手で引けば
レンチが入る隙間を充分に作ることができる。
リアドアも内張を全部取り払う必要はない。
ベゼルを外すのが面倒な向きには、フロントドアより、
作業のスペースがあるため内張に隙間を作ることなく、
ラジオペンチなどでナットが共回りしないように
固定することもできるかもしれない。
下の内張部分に関しては
単純に手で引くだけで隙間を作ることができる。
ガルバニック腐食とは、種類の異なる金属が電解水中で接触すると互いに作用して腐食を起こすことがあること。雨水はいろんな成分を含み電解水と言える。
ムズカシイことは抜きにしてディフェンダーのボディがアルミニウム (一部「鉄」の場合あり) なのはご存じかと思う。
さて、アルミボディにステンレスのボルトを使用すると腐食してしまうのか。ガルバニック腐食をご存じで心配な向きもいらっしゃるだろうから
ちょっとだけウンチクです。
一般的に 「電位の低い金属が電位の高い金属を腐食させる」 とされる。
アルミはステンレスに比べ電位が高いので、すなわちステンレスのボルトがアルミボディを腐食させる作用を起こすことになる。が、腐食しない条件がある。
それは、 「面積の大きなアルミニウムに非常に小さいステンレスのボルトを使用した場合は腐食作用を起こさない」 とされている。
言い換えれば、非常に大きなアルミニウム(ボディ)にステンレス(ボルト)を接触させても腐食は起きないことになる。
「非常に大きな」や「非常に小さな」がどのくらいの比率なのかは曖昧なのだが、一応ディフェンダーにステンレスボルトを使用するのは問題ないのかな、と思う
のだけど、どうなんでしょう?
サイドミラーのアームは、フロントドアヒンジ裏側にネジで取り付けられている。
このドア側のヒンジボルトを外して開かないとアームを留めているネジにアクセスできない。
2本ともボルトを抜いたら、ヒンジを開く。
ヒンジの裏側に、ドアミラーのアームを支えるネジが2本。PZ規格のネジ。
使用するドライバーはPZの#3。 #3は太いサイズ。
プラスの#3でも一応代用可能ではある。
(Hand Tools PB マルチクラフトグリップを参照)
・1本目のボルトが抜け2本目のボルトを外す時は、ドアの重量で回しにくく抜けにくくなるので、少しドアを持ち上げ気味にしながら作業をした方がよい。
腕が3本欲しくなるが、内側のナットにかけてあるレンチをフリーにしてダマシダマシ。。。
・ボルトが抜けると、内張側のナットはフリーになり、内張内に落ち易くなる。万が一落ちてしまっても、内張の下側を開けば落ちてくる。
その意味では共回り防止のレンチはオープンエンドではなく、かけられるならボックスエンドのレンチ(メガネレンチ)の方が落ちる心配が少ない。
このサイトは主に ランドローバー・ディフェンダー110(2005年Td5)のメインテナンスや改良などの情報サイトです